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あっ、と言う間に師走になりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
◆冬が近づき寒くなりつつあるこの時期、早朝の東の空に「明けの明星」が一段と輝いていることをご存知でしょうか? 今年も私は、焼酎「Be Kagoshima」の仕込みのために11/16から12/2までの17日間毎朝この星を見ました。おすすめの時間と場所は、未明の4時くらいから日の出前までで、鹿児島市南部にある「谷山臨海大橋」。
◆払暁の時間帯、まだ誰も通らぬ大橋を「薩摩郷中蔵」に向かって車を走らせると、漆黒の天中には星々がまだ残るものの東の大隅半島側は次第に仄明るく桜島のシルエットがくっきりとしはじめる時で、薩摩半島側は町の明かりが点々と灯り海岸線の長さと錦江湾の広さを教えてくれます。 ちょうどこの期間は、月齢が10から26くらいで宵月〜満月〜有明月のために必ず月明かりもあり、その月に伴われるようにして金星が光っているのです。
◆この焼酎造りのための年間イベント「焼酎プロジェクトX」が始まったのが2002年でしたが、当時、NHK番組「プロジェクトX」の主題歌で中島みゆきさんの「地上の星」に感動して、イベント名にパクリました。(笑) 曰く、『名立たるものを追って 輝くものを追って 人は氷ばかり掴む人は空ばかり見てる 地上にある星を誰も覚えていない』当時から今にいたるまで、相変わらず続いている焼酎への銘柄志向。 決して全否定するわけではありませんが、歪なあり様に悩んできました。「真実中身のある星は、うわの空にあるのではなく、あなた達の足元や身近に普通にあるんだよ」と教えられたようで、気付くものがありました。 新しい銘柄焼酎製品を生み出すのではなく、すでに鹿児島に数多くある焼酎達のそれぞれの美質に気付いていただくための一つの手掛かりとして、心ある焼酎愛飲者や当会会員の皆様へのある種の“教材”として焼酎「Be Kagoshima」を造り、原料栽培から醸造そして飲ん方まで一貫して体験していただくのが当イベントの趣旨。あの歌はその応援歌に思えました。
◆気温が下がり冴え冴えとした未明の朝、この金星がいつも間近に見えて静かに導いてくれているようでした。「明けない夜はない」と。 おかげさまで、昨日無事に蒸留まで完了して今年の製造期間を終えました。 立派な原酒が出来上がったと思っています。これから半年間熟成させて完成です。 今年も、この企画に参加いただいた会員の皆様はじめ関係者の皆様へ感謝しつつ御蔵に通い、朝入場したらモロミに「おはよう」、夜退場する際は「おやすみ」と声を掛け、日々成長するモロミと微生物たちを通して「ありがとう」の気持ちを込めました。 あらためて、ご理解ご協力いただいた全ての皆様に心から御礼申し上げる次第です。
これから、本格的な冬を迎え歳末へと慌ただしい時期になりますが、皆様には、何卒ご自愛くださいますように、そして少し早いですが、どうか良い新年をお迎えくださいますようお祈りいたしております。 |
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